1997年はアレン・ギンズバーグが死んだ年だ。
奇しくも同年、外苑前に一軒のバーがオープンした。
ギンズバーグの代表作である詩『HOWL』
−−−−−ブルックリンの狂った詩人に捧げられた、350行からなる言葉と感情の奔流ー にちなみ、
名をHOWLという。
カウンターとスツールだけ、昔気質の小さなバー。
ガス灯のような灯りが薄ぼんやりと照らし出すのは、壁面に掲げられたアントナン・アルトーのポートレートに、ギンズバーグの詩。
東京の片隅、ここは確かに現代のビートニクのたまり場だった。
作法を心得た愛すべき酔っぱらいと、少しだけ大人になった遊び人と、夜のとばりがよく似合う常連客たち。
彼らを魅了してやまないHOWLは、2014年、その物語に終止符を打った。
けれどそのスピリッツはDannyと、
そして「星子」に受け継がれ、
いままた新たな伝説を綴ろうとしている。
Howl is over, but the spirits is everlasting.